「大学病院として難治性の病気の克服に挑戦しつづけることはもちろんですが、最先端医療の研究、開発、実践に努めながら、地域の医療機関と連携し、地域完結型の医療をめざしていく。その両方の使命を果たすことが重要だと思っています」 県内唯一の特定機能病院である福井大学医学部附属病院は、高度急性期や先進的な医療を担う一方、地域の中核病院としての機能も併せ持つ。第一外科を率いる五井孝憲教授の言葉は、そのことを示している。
高度で専門的な医療を極める「攻め」の部分と、新たな治療法や技術を地域に還元する「守り」を大切にする。そこに、五井教授の人柄と地域医療に対する思いの一端が垣間見える。
山内整形外科は大学や美術館などが近くにある福井市大宮で、昭和52年(1977年)に開業した。整形外科を中心とした有床診療所で、山内健輔氏が院長になってから10年が経つ。
「私が福井県立病院からここに戻ってきたのは2011年。それまでは大先生(院長の父で理事長の山内四朗氏)が外来診療を中心に1人でやっていました。オペ室もありましたが緊急手術などには対応できる状態ではありませんでした。オペ室看護師育成のために看護師を県内外の病院に連れていき、滅菌や物品の配置の仕方などを勉強してもらうところから始めました。
故郷の福井に心臓手術と周産期医療ができる病院をつくりたい。そう考えていた世界的な心臓外科の権威で、東京女子医科大学の榊原仟(しげる)氏が中心となり、昭和42年(1967年)に福井循環器病院が、そして5年後には福井愛育病院が誕生した。産婦人科と小児科を2本柱に、児童精神科、アレルギー科を標榜する女性と子どもの専門病院で、産婦人科54床、小児科37床のほか、NICU/GCUも11床を有し、地域周産期母子医療センターとしての役割を担っている。2023年度の分娩数は1150件で、この数は県内はもとより北陸でもナンバー1だ。
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